乱数

 乱数は不規則な数、でたらめな数ですが、コンピューターでは仮のパスワードの発行や、ゲームを毎回違う状態からスタートさせるということ、さらには科学のシミュレーションでも使われる重要なものです。乱数とは、ある範囲でどの数も同じ確率で現れ、それまでに出た数の影響もない。したがって次に何が現れるか予測不能というものです。いちばん簡単な例はサイコロですね。
 コンピューターの中ではサイコロを振ることはできませんから何らかの計算によって乱数を作り出します。どんな計算をしたらでたらめになるんでしょうか。こんな方法があります。  適当な6ケタの数を考えます。それを2乗すると11〜12ケタになります。その数の中央の6桁を取り出します。次はこれを2乗して…と続けると、たとえば
  654321 → 135971 → 488112 → 253324 → 173048 → 945610 → 178272
となってでたらめに出てくるように見えます。これは乱数を作る最も初歩的な方法です。実際にこの方法をもっと続けていくと、出る数の確率に偏りが出たり、繰り返しに陥ったりしてしまいます。そこで、もっとよい方法がたくさん開発されてきました。でも、ある数を基に計算で次の数を決めるという方法は変わりません。  ということは、最初の数(種と言います)がわかれば後は全部わかってしまいます。これでは予測不能という性質は満足されません。そのため、このような乱数は疑似乱数と呼ばれます。
 毎回異なる数列を出すためには何か偶然による数をコンピューターの外部から与える必要があるんです。サイコロを振るという単純な行為でもコンピューターにとっては大問題なのです。--- Y.O. ---



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