キーボードを初めて使ったときのことを思い出してください。そのとき、0(ゼロ)とO(オー)を間違えませんでしたか。
ゼロとオーは同じ形をしているうえに、キーボード上でも近い場所に配置されています。日本語の文章をローマ字入力で打っているような場合は、変換がおかしくなってすぐに間違いに気づくでしょう。でも意味のない文字列では迷います。印刷された文字でゼロとオーが分からないことがよくありますね。フォントの形は微妙に違うとはいっても、どちらかを判別するのは難しいでしょう。次の図はいずれも左がゼロで右がオーです。
一番困るのが、メールアドレスやプロダクトコードですね。某大手メーカーの製品で、プロダクトコードのゼロとオーが分からないので問い合わせたところ、「見えたとおりに入力してみてください」と言われて唖然としてしまいました。一方で某パソコンショップの会員登録のパスワードは「数字は使われていません」という親切な注意書きがありました。これはゼロとオーだけでなく1(イチ)とl(エル)の問題も解決してくれるものです。
ゼロとオーの類似性では困ったことが多いのですが、これを積極的に使った例があります。それはタイプライターです。旧式のタイプライターではメカニズムの簡略化のためゼロとオーを兼用していたのです。つまりゼロのキーがないタイプライターがあったのです。もっとも好都合だったのは作る側だけで、使う側にとっては困った話です。--- Y.O. ---