焼く

 最近、写真や音楽のデータをCD-Rなどに保存することを「焼く」という人が増えています。なぜ焼くというのでしょうか。本当に焦げ目がつくような熱を加えているのでしょうか。
 CD-RやDVD-Rのような記録可能な光ディスクでは、記録するときにもレーザー光を使います。未記録の光ディスクの盤面には有機色素が塗られています。この色素にある程度の強さのレーザー光をあてると色素の結晶状態が変化して色が変わります。この色の変化は光の反射率の違いになるので、光をあてて反射光の強さを見れば2進数の0、1として読み取れることになります。
 このように光をあてて色を変えるというのが「焼く」というイメージなのだと思われます。焦げるほど熱くしなくても、光をあてることを焼くと表現することはよくあります。「肌が陽に焼ける」、「写真を焼き増しする」など日本語には定着した表現です。
 それで、この表現は日本語独特のものかと思ったのですが、英語でも"burn"という言葉を使うようなんです。どちらが先なのかはわかりませんが、いずれにしても技術者が言い出したものが一般化したのでしょう。保存するとか記録するっていうより「焼く」といった方がかっこいい…のかなぁ???--- Y.O. ---



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