エンジンというと普通は自動車のエンジンを考えるでしょう。ですからコンピュータとは縁のない言葉と思いきや、検索エンジンという言葉がありました。検索エンジンとは、ネットの情報を、キーワードで検索する機能です。つまりGoogleとかYahooで何かのサイトを探すときに使うあれです。ほかにもテキスト(文章)の中の単語や品詞を調べるソフトで形態素解析エンジンというものもあります。
では、なぜエンジンと呼ぶのでしょうか。検索エンジンは主にソフトですから、動力のエンジンとイメージがつながりません。英語の engine にそういう意味があるのかと調べてみても、search engine の見出しはありますが、engine に最初からソフトウェアの意味があるとはいえないようです。
そこであれこれ考えると、コンピュータの歴史に出てくる解析機関がありました。これは19世紀の中ごろイギリスのバベジが考案した計算機です。完成にまでは至らなかったものの、数値の演算ができ、値を保持(記憶)する機能があり、コンピュータの概念に近いものだったといいます。解析機関は英語で Analytical Engine 、ここでエンジンという言葉が使われています。もっともこの機関は電気回路ではなく機械的なものでしたからエンジンという言葉は突飛ではなかったと思われます。
余談ですが、この解析機関に非常に興味を示した女性がいました。彼女の残した解説によると、既ににプログラムの概念があったことが分かります。そして、その女性エイダは有名な詩人バイロンの娘で、エイダ(ADA)の名は後にプログラム言語の名前にもなりました。
ああ、それからPCエンジンというゲーム機がありましたね。あのエンジンは何でしょう。はっきりとはわかりませんが、実質的な開発を行なった会社の創業者が熱狂的な鉄道ファンであったことと関係しているかもしれません。社名のハドソンもPCエンジンに使われたチップセット「HuC62」も蒸気機関車に由来した名前なんだそうです。--- Y.O. ---