キーボードを押すと、その文字が画面に出る。これを当たり前だと思っていませんか。ユーザー側から見れば当たり前なんですが、コンピューターやプログラムの仕組みから考えると、わざわざ表示させているから字が見えるんだということなんです。つまり、キーを押したら自然に文字が表示されるようになってはいないのです。
とくに、端末からネットワーク経由で他のコンピューター(ホスト)を使っている場合などは、押したキーが相手に伝わっていることを確認する必要があります。そのため、ホストコンピューターは受け取った文字をそのまま返して端末側に表示させるのです。これはこだまが返ってくるのと同じなのでエコーバック(echo back)といいます。
ネットワークを介さないときでも押した文字を確認することは必要です。その場合もエコーバックといえるでしょう。
考えてみてください。キーを押しても何も起こらない状態を。不安ですよね。その意味でもエコーバックはとても大切なことなのです。
店員が客に声を掛けられたら、すぐに対応できないにしても「○○ですね、しばらくお待ちください」というような返事はしますよね。そうでなかったら客は怒って帰ってしまうでしょう。コンピューターも同じなのに、これができていないことが多いと思いませんか。すぐにできなくても返事くらいはしろよ!といいたくなります。--- Y.O.
大同大学 情報学部 大石研究室