互換

 互換とは国語辞典では「取りかえのきくこと」と書いてあります。コンピューターでは、別のハードやソフトを使ってもオリジナルと同じ動きをすることを指します。また、このことを互換性(compatibility)があるといいます。さらに、上位互換、下位互換という言葉があるのですが、これがちょっと分かりにくく誤解されることもあるようなのです。
 たとえば上位互換といったとき、それは上位製品で下位製品の機能が使えることでしょうか。それとも上位製品の機能を下位の製品でも使えることでしょうか…。答えは前者なんですが、逆でもいいような気がしませんか。
 混乱の一因はグレードの上位/下位と発売時期の新旧(前後)を混同していることです。本当はこれらは別の意味ですが、大抵は新製品ほど機能が高くなっているので、この点には目をつぶっておきましょう。それでも誤解が生じるのは、英語との関係かもしれません。
 日本語の上位互換と同じ意味の英語は backward compatible あるいは downward compatible です(下位互換は forward compatible か upward compatible)。上に対して back や down では逆ですよね。日本語では主体の位置をいっているのに対して、英語では見ている方向を表しています。
 ということで、上位/下位互換とは別に、英語に即して後方/前方互換という言葉を使うこともあります。でも、ユーザーにとってはそんな言葉よりも、「旧バージョンでも使えるように保存する方法」などの具体的な使い方が気になるところです。--- Y.O.

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大同工業大学 情報学部 大石研究室