モアレとは画像に表れる干渉縞です。印刷物をイメージスキャナで読み取ったときによく出ることがよくあります。元の画像にはそんな模様はないのに、なぜそんな模様が現れてしまうのでしょうか。
印刷物の画像は一定間隔の網点で構成されています。一方、スキャナも一定間隔で画像の明るさを読み取るのですが、その周期が少しずつずれると微妙な濃淡になってしまうのです。この少しずれるというのが問題で、周期の違いが大きければモアレは出ません。これは音で例えれば「うなり」に相当します。高さが非常に近い2つの音が混じるとゆっくりした揺らぎが出てきます。高さの違いが大きければうなりは聞こえませんよね。
モアレという言葉は、コンピュータの発明よりはるか昔から使われていました。もともとは絹などの布に現れる波状の模様を指していたようです。さらに遡ればアラブから伝わった毛織物にたどり着きます。アンゴラウサギの毛から作られる織物が英語でmohair(モヘヤ)これがフランスに伝わり mouaire 、moiré これが再び英語に入ってmoireとなったということです。。
画像のモアレは邪魔でしかありませんが、モアレの模様を積極的に使った絹のウェディングドレスがあるそうです。現代科学ではモアレを使って体の凹凸を等高線表示するモアレトポグラフィという技術もあります。逆の発想ですね。--- Y.O.
大同工業大学 情報学部 大石研究室