等幅フォントとは、どの文字も幅が一定のフォントです。初期のワープロではこれが当然でしたが、今ではむしろ珍しくなってしまいました。つまり文字の種類によって幅を変えて読みやすくしているのです。そのようなフォントはプロポーショナルフォントといいます。同じ明朝体でも「明朝」と「P明朝」があってPがプロポーショナルを表しています。
でも欧文用フォントだと等幅を探すのに苦労しますね。等幅でないとプログラムリストや16進数は列が不ぞろいで醜いものです。また、アスキーアート(文字を並べて描く絵)でもプロポーショナルでは縦線がつながらなくて困るでしょう。
ところで、ここまで「等幅」をなんと読んできましたか。国語的な常識では「とうふく」でしょうね。もちろんそれでいいのですが、コンピューターの業界では「とうはば」が幅を利かせているのです。国語辞典にはまだ出ていませんが、ネット上では「とうはば」が正しいとしている用語辞典もあります。「とうはば」ではいわゆる重箱読み(音と訓を混ぜた読み)なので、普通なら避けるはずなんですが…。
これは引数を「ひきすう」と読むのと似ています。でも引数を因数と区別するような積極的な理由が「とうはば」にはないような気がします。最初に使った人が重箱読みでも気にならなかったのか、それとも業界用語的かっこ良さから定着してしまったのでしょうか。--- Y.O.
大同工業大学 情報学部 大石研究室