カラム

 カラムという言葉は、パンチカード、マークシート、テキストエディタの画面など、固定幅の文字列や表の列を表すときに使います。「第6カラムはスペースを入れる」というような言い方ですね。カラムは英語で column ですが、普通はコラムと訳します。新聞や雑誌のコラムというように。国語辞典を見ても「コラム」は出ていますが「カラム」は出ていませんでした。
 英米の人が column を発音してもコラムに近い場合とカラムに近い場合があります。そうすると、たとえば comma に対して日本ではコンマとカンマが混用されているのと同じです。ただ、コンマもカンマも「,」を意味するのに比べて、コラムとカラムは使い分けられているような気がします。列を表すときだけコラムじゃなくてカラムというのはなぜなのでしょう。
 同じ外国語でも、入ってくる分野や時代によって違ってしまうのでしょう。また、業界用語らしく発音をわざと変えるということがあるのかも知れません。よく考えると、ガラスとグラス、バスとベース、エーテルとイーサのように、元は同じ言葉なのに使い分けている外来語がたくさんありますね。
 なお、column の元の意味は、石の円柱だそうです。ギリシャやローマの古代建築に見られるあれです。それで、柱→縦の並び→列。また、縦の区切り線→欄、というつながりのようです。--- Y.O.

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大同工業大学 情報学部 大石研究室