網かけとは、ワープロなどで文字の背景や、表のマスをグレーに塗り潰すことを言います。でもこれがなぜ網と呼ばれるのでしょうか。それは白黒印刷でグレーを出すために、非常に細かい点を並べるという方法が取られますが、その点のことを網点というためです。ということはどこにでも出ています。でもその点と網とは何の関係があるかについてはほとんど説明がありません。
当たり前すぎて説明する必要がないというのでしょうか。印刷に網を使ったから?どんな網?…と考えると、意外と当たり前ではないようです。
確かに網に関係しているのですが、これは非常に細かい網で、「スクリーン]といった方が分かりやすいかもしれません。シルクスクリーンという印刷技法がありますね。絹は非常に細かい網なので、紙に絹を重ねてその上からインクを擦りつけると、紙に細かい点が写るというわけです。これは孔版印刷の一種で、学校で昔使っていたガリ版もその一種です。マンガの原稿やイラストのバックに貼り付けるスクリーントーンは、網かけのいろいろなパターンを作ったものです。
スクリーン(screen)という言葉には、網戸のようなメッシュ状のものという意味もあり、網と訳されたのでしょう。スクリーンには、あるものは通すが他のものは阻止するという働きがあります。審査、選抜のことをスクリーニングというのもこの意味から来ています。--- Y.O.