タイムスライス

 パソコンでネットからのダウンロードをしながらワープロを使うというようなことは今や当たり前です。つまり、コンピュータは同時に2種類以上の仕事ができるのです。でも、わずか20年ほど前のパソコンではそれができませんでした。
 CPUは同時にひとつのことしかできません。基本的にはこれは昔も今も同じです。それなのに同時に2つ以上の仕事ができるのは、タイムスライスという技術のおかげです。
 つまり、時間を非常に細かくスライスします。たとえば0.01秒ごとに切ります。そして最初の0.01秒はAの仕事、次の0.01秒はBの仕事、次はCの仕事、そしてAに戻る…というように少しずつ別の仕事をするのです。人間はコンピュータに比べるととても鈍い(遅い)ので、仕事がブツブツに切られているとは感じません。これが、タイムスライスで、それをサポートするオペレーティングシステムをマルチタスクOSといいます。また、スライスした時間を複数のユーザーで使う場合はタイムシェアリングといいます。
 こんなことができるのは、とにかくコンピューターの処理が速くて大量のデータが扱えるからです。20年前のパソコンでできなかったのはそれだけの処理速度がなかったからなんですね。Windows3.1あたりからパソコンでも実用的なマルチタスクOSが実現されました。その背景にはCPUの進歩があったことはいうまでもないでしょう。 --- Y.O.

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