チューリングマシン

 これも情報工学で習う難物です。チューリングマシンとは1936年にアラン・チューリング(Alan Mathison Turing,1912-54)が考えた仮想のオートマトンで、コンピュータの動作を究極まで単純化したものといえます。
 チューリングマシンは、等間隔に区切られた無限に長いテープと、そのテープに読み書きするヘッドからできています。ヘッドは「状態」をもっていて、テープから読み取ったデータに応じて「状態」を変えます。チューリングマシンのすることは、/ヘッドを右か左に一区画移動する /ヘッドの位置のデータを読む/ヘッドの位置にデータを書き込む/「状態」を変える/だけです。これで何ができるの?と思ってしまいますが、コンピュータにできることはすべてできるのです。

 1936年といえばコンピュータが実現する10年も前です。テープを使ったのは、他に適当な記憶装置がなかったからでしょう。これは現在のコンピュータで言えばメモリーに相当します。そしてヘッドがCPUに相当します。
 なぜこんな難解なものを考えたの?と思ってしまいますね。計算という行為を抽象化していくとこんなものになって、本質が浮かび上がってくるということです。それは数学の面白いところでもあり、嫌われるところでもあるわけです。  --- Y.O. ---

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