語源の難しさ

 先日、テレビ番組で電話機の#は「シャープ」ではなくて「スクェア」だと解説している先生がいました。でも説明したように、確かにシャープ(♯)とは違い、ITU-Tでは"square"という言葉を使っています。でも、スクェアだと断言してしまうのも問題があるような気がしますね。
 ITU-Tでは定義といえないような緩い表現しかしていません。それに#の文字はすでにナンバーなどと呼ぶことが定着しているわけですから、あえてスクェアと呼ばせる必要もないのじゃないでしょうか。権威ある(ありそうな)先生がテレビなどで強くいうとそれが独り歩きしてしまう心配があります。
 語源とか起源というのは、こうだと言いきるのが難しいことがあります。とくに古い言葉や漢字の起源には眉に唾をつけたくなる説がたくさん聞かれます。猫はなぜネコなのか。「寝る子」だから、「鼠子待ち」だから、「ネーと鳴く子」だから…。「人という字は人と人が支えあっている」なんていうのは当然あとから考えられたことなんですが、これを本当だと信じている人も多いようです。
 正しいことが伝わっているとは限りません。ブートQWERTY配列の伝説のように既に事実が歪み始めているものもあるようです。
 わからなくなっちゃったものは無理にこじつけなくて、わからないって言えばいいのに。--- Y.O.

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大同大学 情報学部 大石研究室