受験生の皆さんへ
基幹科目
専門学科の教育で最初に始まるのが基幹科目であります。
基幹科目を下表に示します。多くの科目が必修であり、
基礎中の基礎ですからしっかりと身につける必要があります。
1 年次 | 2 年次 | 3 年次 | |||
1 期 | 2 期 | 3 期 | 4 期 | 5 期 | 6 期 |
基礎電気電子数学 | 電気磁気学 I | 電気磁気学 II | 電気磁気学 III | 演習電気磁気学 | |
電気電子工学基礎 | 電気回路理論 I | 電気回路理論 II | 電気回路理論 III | 過渡現象論 | 演習電気回路 |
電気電子工学実験 I | 電気電子工学実験 II | 電気電子工学実験 III | 電気電子工学実験 IV | ||
電気電子計測 I | 電気電子計測 II |
テレビやコンピュータを開発した先輩技術者が大学教育を受けた時代には、
大学電気工学 科のカリキュラムにはコンピュータとかトランジスターは
ありませんでした。当時の大学では、ここに示した基幹科目を徹底的に教授
しておりました。このことは、基礎である基幹科目をマスターしていれば、
何でも取り組めることを示しています。
まず始めに、電気を学ぶ上で絶対に使いこなしていることが要求される数学
について、高校で習ったかも知れませんが、それを電気工学の問題と直結し
て学習しなおします。並行して、電気・電子の果たしている役割等の紹介の
あと、基本的な電気の問題について充分な演習を行って、電気電子に馴れて
もらいます。
電力会社から送り出された電気は電線の中を通り家庭や工場で仕事して、ま
た電線を通って発電所に戻ります。この電気の流れを電気回路と呼びます。
電池から流れ出す電流を扱う直流回路をまず学びますが、これに精通する
ことは極めて肝要です。電力会社の電気やラジオ回路中の電気は交流です。
3, 4, 6 期と時間をかけて勉強しますが、
交流回路は極めて広く利用され、しかも、大学電気電子工学出身は当然血
となり肉として身につけているとみなされる内容であります。
5 期には電気回路に突然電気が加えられたとか、事故で電気が突然きれて
しまった時の回路の反応を学びますが、これはパルス回路の基本でもあり
ます。摩擦電気、磁石、コイルに電流が流れると磁石と同じ働きをすること、
それらの電気や磁気の現象を統一的に理解するのが最も重要な基本理論で
ある電気磁気学です。
トランジスタが発明される前の真空管の時代に、既にテレビもレーダも
ありましたがこれらの動作は電気磁気学のみで説明できます。すなわち、
電気磁気学に精通しておれば衛星通信も発電機もあるいは将来独創的な
技術が出現したとしても、それを理解できます。
なお、テレビ、コンピュータに使われているトランジスタの理解には
電気磁気学のほかに量子力学の知識が必要ですが、これはエレクトロ
ニクスコースで勉強します。自然現象は計測によって客観的に取り扱う
ことができますが、測定の目的に合った計測法を用いないと何を測定し
ているのか分かりません。
3, 4, 5, 6 期の実験において電気・電子工学の諸現象を実験で確か
め、適切な計測法の勉強を行います。精選した実験テーマについて
毎週 1 テーマを半日かけて実験しますが、テーマの目的、原理につい
て、毎回教員から詳しい講義がおこなわれたあと実験に入ります。
実験中は 2 名の教職員と 1 名の大学院生がテーマ毎に常駐して
指導に当ります。
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