加藤年宏 ホームページ

大学院建設工学専攻 構造工学 M2


Department of Civil Engineering
Daido Institute of Technology
40 Hakusui-cho Minami-ku
Nagoya 457, JAPAN

Phone: +81 (0)52 612 5571 (Ext.250) Fax: +81 (0)52 612 5953
E-Mail: kato@daido-it.ac.jp

修論概要


修論課題: スプライン離散化法を用いた厚肉円筒パネルの3次元構造解析に関する研究

 構造物の大型化や重量化に伴いかなり分厚いシェルが曲線コンクリー ト橋、各種圧力容器や落石防護構造などに採用されるので、このような構 造要素の構造解析が設計上重要になっている。厚肉円筒パネルの構造解析 では、面外せん断変形や厚さ方向の変形の影響が重要になり、従来の薄シ ェル理論の適用が困難になる。これまでにもシェルに関する研究は多く行 われているが、3次元弾性理論に基づく研究は、厚板の研究と比べて非常 に少ないように思われる。  本研究では、 Spline離散化手法を提案し、厚肉円筒パネルの3次元構 造解析への適用性について検討を行っている。  本論文は、6つの章から構成され、第1章ではシェルの力学的特性およ び解析上の問題点と3次元弾性理論の必要性について示し、またこれまで に行われてきたシェルに関する研究の展望により本研究の位置づけにつ いて述べている。  第2章では、3次元弾性理論に基づくSpline Prism法を提案し、円筒 軸に平行な2辺が単純支持され、他の2つの円弧辺で任意の境界条件を持 つ厚肉円筒パネルの応力解析を行い、厚さ方向の応力分布特性に与える偏 平角やシェル厚比などの影響について詳細に検討を行っている。  第3章では、Spline Prism法を用いて、円筒軸に平行な2辺が単純支持 され、他の2つの円弧辺で任意の境界条件を持つ厚肉円筒パネルの自由振 動解析を行い、また厚肉円筒パネルの振動数特性に与える偏平角、シェル 厚比やシェル長比の影響について検討を行っている。  第4章では、高次のせん断変形を考慮したDonnellの偏平シェル理論に 基づくスプライン帯板法を用いて相対する2つの円弧辺で単純支持され、 他の2つの辺で任意の境界条件を持つ厚肉円筒パネルの自由振動解析を 行い、本手法の適用性について示し、また厚肉円筒パネルの振動特性に与 える偏平角やシェル厚比などの影響について検討を行っている。さらに、 3次元弾性理論による値と比較検討を行い、本理論の適用限界についても 明らかにしている。  第5章では、Spline Layer法を用いて周辺単純支持された厚肉円筒パネ ルの振動解析と応力解析を行い、Spline Layer法の適用性と厚肉円筒パネ ルの振動、応力分布特性に与える偏平角やシェル厚比などの影響について明 らかにしている。  第6章は結語であり、本研究の総括を行い、また今後の研究課題につい て述べている。



For comment or suggestion about this Home Page, please send e-mail to kato@daido-it.ac.jp.



Back to DIT Department's HOMEPAGE

Revised 1 August 3 1996