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大学院建設工学専攻 構造工学 M2


Department of Civil Engineering
Daido Institute of Technology
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修論課題: 支点移動を考慮した傾斜ケーブルの非線形応答解析に関する研究

修論概要


 暴風や地震動などを受ける吊橋や斜張橋の主塔や桁の振動がケーブルに与える影響や予期しない大きな動荷重を受ける架設中の吊形式橋梁のケーブルの非線形応答性状に与える支点の移動の影響についての研究が設計上必要とされている。このような吊形式橋梁の支間の長大化に伴い、その安全性評価の重要性が増しており、設計計算に有限変位解析法を適用する必要性が高まっている。
 本論文では、支点移動に周期変動荷重を受ける傾斜ケーブルの非線形応答解析を行い、変位応答や張力応答に与えるサグ比、ケーブルの傾斜や移動支点の影響について明らかにしている。
 第1章では、研究目的について述べ、またこれまでに行われてきたケーブルに関する研究 を6つに分類し、その内容について概説し、本研究の位置づけについて述べている。
 第2章では、有限変位弾性理論に基づくTotal Lagrangian表現と仮想仕事の原理を用いて、ケーブルの運動方程式を誘導し、また3次元アイソパラメトリック・ケーブル要素の定式化について述べている。
 第3章では、Viscous Relaxation法と第2章で述べたアイソパラメトリックケーブル要素を適用して、任意に仮定された初期形状から傾斜ケーブルの初期つり合い形状解析と静的解 析を行い、本手法の収束性や精度について示す。また、このケーブルの初期つり合い形状やケーブル軸に沿った張力分布特性に与えるサグ比や傾斜角などの影響について解析を行っている。
 第4章では、アイソパラメトリック・ケーブル要素を用いて、1つの移動支点を持つ2次元傾斜ケーブルの面内振動特性に与えるサグ比や傾斜などの影響について解析を行い、また両端固定ケーブルの振動特性との比較検討を行っている。
 第5章は、移動支点で水平周期荷重を受ける2次元傾斜ケーブルの動的応答解析を行い、ケーブルの変位応答や張力応答に与えるケーブルの幾何学的非線形の影響、サグ比の影響や水平変動荷重の振幅や周波数特性の影響について解析している。ケーブルの動的応答問題は、サグ比の大きさによりケーブルの運動にさほど影響を受けない初期応答とケーブルの運動に大きく依存する動的応答の2つ段階を経ており、移動支点で周期変動荷重を受けるケーブルの弛みの伝播特性と衝撃応答の発生メカニズムやケーブルの運動性状を明らかにしている。また、移動支点の張力応答にくらべ、固定支持では衝撃的な応答を示すことやケーブルの初期水平荷重が小さくなり、サグ比が増大すると、ケーブルの張力応答や変位応答が幾何学的非線形性の影響と支点の移動の影響を受けて、かなり複雑な性状を示すことを明らかにしている。
 第6章は、あとがきであり、各章で得られた結果をもとに、本論文の総括を行い、また今後の課題について述べている。



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Revised 1 August 3 1996