本研究は,地震動を受ける鋼製ラ−メン橋脚のはり・柱接合部(以下,隅角部と言う)の崩壊挙動と変形性能を明らかにすることを目的としている.箱形のはり,柱部材が直角に交差する計8体の鋼製模型を制作し,単調漸増荷重,繰り返し荷重のもとで破壊実験を行った.実験結果から,隅角部の変形性能は,隅角部腹板の塑性変形性状とはり・柱一般部の曲げ・ねじれ座屈によって大きく影響を受けることを示した.実験後の供試体の崩壊状況から,隅角部の崩壊モードを@せん断崩壊型,A曲げ崩壊型,およびBねじり崩壊型の3つに分類した.耐震上優れているのは,せん断崩壊型の隅角部であることを結論している.
![]() 箱形はり・柱からなる隅角部 供試体の製作場面 | ![]() 実験前の供試体 |
![]() 実験状況 | ![]() |
![]() 隅角部腹板のせん断 座屈を伴ったせん断崩壊型 | ![]() はり・柱フランジ・ プレ−トの曲げ崩壊型 | ![]() はり・柱一般部がねじれ 座屈を起こすねじり崩壊型 |
参考文献
1) | 酒造敏廣,事口壽男: 鋼製ラ−メン隅角部の崩壊性状と変形性能に関する実験的研究,構造工学論文集, Vol.37A、土木学会, pp.121〜134,1991年3月. |