上高地の中心を流れる清流が梓川、この梓川に架かる幅3.6m、
長さ30mという鉄製の小さな吊橋が河童橋である。
記録によれば、かつてはこの橋は今の場所ではなく川幅の狭い所
に架けられた刎橋で、吊橋になったのは大正12年、その後も架け
かえられ今の河童橋は四代目、ということである。
今では淵も埋められ川の流れもゆるやかに安定し、それならばわ
ざわざ修築に手間のかかる吊橋である必要もない飛石でもおいてお
けばいい。と思うのであるが、「やはり上高地の美しい自然の景勝
には、鉄線の細い組み合わせで繊細に構成される吊橋が似合ってい
る」というところなのだろう。
写真・説明:「橋づくし」・・・監修:岡田 喜秋 発行所:株式会社 みずうみ書房