
目的
本研究は,切欠き付き丸棒試験片を用いた従来の静的破壊靭性評価法を発展させ, 動的破壊靭性評価法を考案し,動的引張試験方法,試験片形状,破壊開始時間の決定などについて詳細に調査している。
引張試験法
実験は静的, 動的試験ともに引張ジグを用いて,圧縮荷重を引張荷重に換え,引張試験を行った.静的試験では油圧式万能試験機を用いた.動的試験では,計装化落錘式試験機を使用した.Fig.1に試験片と試験片ジグに接着し,荷重の時間履歴を算出したひずみゲージの位置を示す.POINT
Aは試験片に,POINT Bは試験片取付ジグ端から60mmの位置にひずみゲージを付けた.
破壊靭性の負荷速度依存性
Fig.2はS45C材の破壊靭性の負荷速度依存性を示す.従来の結果と本測定結果を比較すると,負荷速度の低い領域ではやや小さめの値を示し,高い領域では大きめの値を示す.
破面観察 Fig.3はS45C材の負荷速度0.113×106の場合の破面のSEM写真を示す.Fig.3(a)は切欠き底近傍の写真であり,延性破壊のディンプル状破面が切欠き底に見られ,内部は脆性破壊が見られる. 切欠き底から130μm付近にその破面境界が見られる.また,Fig.3(b)は破断面中央の破面写真であり,脆性破壊のリバーパターンが見られる.
まとめ
以上のように,疲労予き裂を導入しないで鋭い切欠き付き小型の丸棒試験片を用いて動的破壊靭性を測定する方法を提案した.その手法の有効性を,S45C材を取り上げ破壊開始時間の測定,破壊靭性の測定精度,破面特徴などを詳細に調査した.その結果,極めて簡便に測定可能であり,S45C材に対しては工学上有効な手法であることが確認された.
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